たまこラブストーリー

たまこラブストーリー - 世界一のなにがしに俺はなるっ!

アニメレビューとかそんなの

台詞で語らない作画力

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あらすじ(劇場版)[編集] 高校3年生の春。東京の大学へ進学することを決めた大路もち蔵は、幼い頃から恋をしている北白川たまこに想いを伝えることを決意する。下校途中、河原で転びそうになったたまこの腕を掴んだもち蔵は、そのまま自らの想いを告げる。突然の告白に驚いたたまこは尻餅をつき、川の水に濡れてびしょびしょなまま、その場を走り去ってしまう。それ以来、たまこはもち蔵と顔を合わせるのを避けるようになり、二人の関係は以前とは違うものになってしまった。 そんなある日、たまこの祖父、北白川福が餅を喉に詰まらせてしまい、病院へ搬送される。幸い命に別条はないことが分かると、入院手続きのためにたまこともち蔵が残され、二人きりになる。自分が告白をしたせいでたまこの調子が悪くなったのだと思ったもち蔵は、あの日の告白をなかったことにしてほしいと告げる。たまこはそのことを常盤みどり、牧野かんな、朝霧史織に相談したことで自らの想いに気づき、きちんと返事をしようと決意する。

いい作品ですよね。観ていてきゅんきゅんなりました。 本作の特筆すべきところは、三角関係とかで魅せてくるわけでもなく、そのまんま二人を、そのまんまの姿で勝負しているところらへんwそれらを上手く魅せるために作画の演出が良かったと単純に感じます。

 

例えば二人での川のシーン。たまこがつまずいた所をもち蔵が間一髪助ける。その場面時における描写において、昔は助けられなかった描写(a)が切り込まれ。今回は助けるもち蔵の描写(b)が入り、目の前が真っ白になって走り出すたまこ(c)の流れは素晴らしい。セリフで語ることなく、作画で語るモンタージュによって一見普通な演出も鮮やかなものに変わってしまう不思議さ。 もち蔵の昔からの変化と、それに戸惑うたまこがスッと心に染み渡るように、自然に、的確に胸に入ってくる。

 

走り出したたまこは普段庭のように歩いている商店街も、モヤがかかったように、それとシャボン玉が淡い恋心をはじけるように魅せ、彼女の周りが観えていない状況を何一つ語ることなく魅せることに成功した。

 

二人の糸電話における、微妙な機微の変化であったり、たまこが糸電話をキャッチしたりすることの珍しさえお利用したり。二人の部屋のカーテン。灯りや流れてくる音楽。そのような何気ない日常にあるものを、ある意味ストレートに表現し切った初々しさは本作ならではであるし、恋としても青春としても単純に名作だと感じました。